(画像 左:日本準拠のGoogleレンズの結果。 右:アメリカ準拠のGoogleレンズの結果)
CTFのOSINT問を解く上で必須のツールであるGoogleレンズですが、私の環境だと日本のページを優先的に提示していたため、どのようにその傾向を変えるのか調べました。
結論としては①ChromeのプロファイルにGoogleアカウントを紐付け、②そのGoogleアカウントの言語設定を変えるだけでよいです。
背景
6月にCapture The Talent と K3N4D4M5氏が共催したOSINT CTFがありました。
Fiiiine, we'll run a cool AF OSINT challenge in Discord next Saturday at 12 noon and give away prizes like CTF tickets, stickers and t-shirts with cool slogans on.
— 𝙾𝙶 𝚃𝚊𝚕𝚕𝚢𝚠 𝙷𝚊𝚌𝚔𝚎𝚛 is going to Vegas🤩 (@amysw_sec) 2022年6月17日
Just come and join us in Discord... https://t.co/K0E4yZCaIT and get involved ❤️ pic.twitter.com/XVnVz9NpC1
そのCTFの1問目は「↓の画像が撮影された公園の名前を答えよ」という、オーソドックスな問題でした。
画像の撮影場所の特定をする問題のセオリーは、画像ファイルのEXIFチェックと各種検索エンジンによる「画像で検索」にかけることなのですが、いずれも通用しませんでした。
私の過去のOSINT CTFの参加経験から考えて、1問目はセオリーに則れば解ける問題が用意されていることが多かったですし、この問題の回答者数がみるみる増えていくので、自分の調査手順に問題があると考えました。
私の調査の中で気になったのは、ChromeのGoogleレンズの検索結果が日本のページばかりであることでした。このCTFは主催者は海外の方なので、この画像は日本国外で撮影された可能性が極めて高く、日本語のページでは扱われていないと考えました。
そこで、これをアメリカのページを優先的に出力するようにできるか試しました。
最初はVPNを介したり、Chromeのセンサで所在地を変えたりしてみたのですが、日本の検索結果が優先して返されるままでした。最終的にたどり着いた方法が冒頭で述べた、Googleアカウントの言語設定を変えることでした。
以下ではその方法について説明します。
言語設定の変更手順
(手順は2022/08/06時点のChromeのUIです。)
まず、ChromeのプロファイルにGoogleアカウントを紐付けておきます。
Googleアカウントを紐付けたプロファイルでChromeを開きアカウントアイコンをクリックし、「Googleアカウントの管理」をクリックします。
Google アカウント管理画面の検索フォームで「言語」と入力し、「言語」の設定ページを開きます。
「言語」の設定ページにおいて、「+ 他の言語を追加」ボタンをクリックします。
Googleレンズで検索結果を優先したい言語・国を選択します。ここでは 言語を「English」、国を「United States」としました。
現在は日本語が最優先になっているので、「↑」ボタンをクリックし、「English」を日本語より上に持ってきます。
すると、言語が変わりました。
この状態でGoogleレンズを使用します。すると、先程と同じ画像を入力したにもかかわらず、英語のページが優先的に表示されていることがわかります。
最初に紹介したOSINT問では、Googleレンズがアメリカ準拠の状態で検索範囲を車付近にフォーカスをすればフラグのページがヒットしました。
まとめ
ChromeのGoogleレンズが返す結果を変える方法を説明しました。
日常でGoogleレンズを使う時に海外の結果が出るのは不便かもしれないので、OSINT CTF用のGoogleアカウントとChromeプロファイルを用意しておき、CTF中のみ、そのChromeプロファイルでGoogleレンズを使用するのがよいと思います。